経口禁煙補助薬(チャンピックス)が発売され、これまで医療機関の処方薬であったニコチン貼付薬(ニコチネルTTS)が一般薬として薬局で買えることになったのを機会に、ニコチン依存症の禁煙指導をチャンピックスに変更しました。1年後の禁煙成功率がニコチネルでは30%であったのと比べ、チャンピックスでは53%と報告されています。
初診時、ニコチン依存症管理料として 2,000円をお支払い下さい。

初診料、処方箋料、外来管理加算料をいただきません。下記の定期的再受診時(2週間毎)に再診料1,000円をいただいております。

2回目受診時(  2週間後)、1,000円。
3回目受診時(  4週間後)、1,000円。
4回目受診時(  6週間後)、1,000円。
5回目受診時(  8週間後)、1,000円。
6回目受診時( 10週間後)、1,000円
7回目受診時( 12週間後)、1,000円  最終診察日

なるべく多くの人に煙草を止めてもらいたいので低額としています。


薬品代は自由診療では下記の値段となります。

禁煙補助薬(チャンピックス)の費用    

2週間分で 約7,000円

禁煙後は続けることを意識し、喫煙者からの誘惑を断ちましょう。禁煙後は身体の快適さを自覚するようになり、煙草が嫌いになってゆきます。食欲が出て体重が増加することがあるので、その場合はダイエットに心掛けましょう。

通常は2週間分の薬剤を処方し、2週間毎に外来で禁煙がうまくいっているか、副作用が無いか、などをお聞きします。
3ヶ月で治療を完了することが勧められます。初診時のニコチン依存症管理料は6ヶ月間有効です。
それ以後は、前回の治療は失敗と見なされ、
最初からやり直しとなります。
再度、初診扱いとなり、ニコチン依存症管理料のお支払いが必要となります。

禁煙指導について
禁煙成功後の継続が重要です

患者さんの認定基準が厳しすぎる。
  1日喫煙本数と喫煙年数をかけて200以上( 1日20本の人は 10年以上)の患者さんだけにしか保険が適応されません。これでは、1日20本喫煙し、10年未満で禁煙したがっている若い人は除外されてしまいます。10代で喫煙を始めた若い世代の禁煙に対する視点が欠けていると思います。

治療施設の認定基準が厳しすぎる。
  (1). 16万円もする呼気一酸化炭素測定器を備えなければなりません。呼気一酸化炭素でニコチン依存症の程度を推測する理屈ですが、むしろ、血中ニコチン濃度を測って、ニコチン中毒であることを自覚させた方が、タバコの本数を減らすたびにニコチン濃度が下がり、はげみになるでしょう。呼気一酸化炭素を測定したところでピンとこず、説得力が弱いと思われます。その測定器具の購入もメンテナンスも医療施設が自費でしなければなりません。利益を得るのは器具の製造業者だけ---が実態です。
  (2). またニコチン依存症管理の看護師または准看護師を専任で雇うことを規定しています。人件費をかけられない個人経営クリニックでは消極的にならざるを得ません。禁煙は自宅や職場でするわけですから、医者が外来で指導すればいいことであり、看護師の必要性がどこにあるんでしょうか
  (3). 病院内には様々な業種があります。それぞれの部門で禁煙に対する意識に差があり、ニコチン依存症の従業員がたくさんいます。意外なようですが看護師にニコチン依存症が多いのはよく知られている事実で、ナース休憩室や屋上で堂々と喫煙が行われています。たいていの病院の手術室婦長や主任クラスの看護師は独身(離婚後独身を含む)かつニコチン依存症で、体中から悪臭を放っていることが多いのです。病院施設や敷地内に喫煙所があるとニコチン依存症治療施設として認定されないので、ほとんどの病院は申請できないのが現状です。

  以上のように、今回の保険給付規定には様々な問題があり、禁煙の普及拡大を妨げています。
  国は外国向けに、形だけの禁煙推進をするふりをしているだけで、本音は煙草販売量減少による煙草税の減少を嫌がっているのです。

保険医療でのニコチン依存症管理料

管理料 初診料/再診料 外来管理加算 処方箋料 合計(3割負担)
初回 2,300円 初診料  2,700円 0円 680円 5,680円(1,704円)
2回目受診(2週後) 1,840円 再診料   710円 520円 680円 3,750円(1,125円)
3回目受診(4週後) 1,840円 再診料   710円 520円 680円 3,750円(1,125円)
4回目受診(8週後) 1,840円 再診料   710円 520円 680円 3,750円(1,125円)
最終5回目受診(12週後) 1,800円 再診料   710円 520円 680円 3,710円(1,113円)
合計 9,620円
(2,886円)
5,540円
(1,662円)
2,080円
(624円)
3,400円
(1,020円)
20,640円
(6,192円)
ニコチン依存症管理料 再診料 合計
初診 2,000円 2,000円
2回目受診( 2週後) 0円 1,000円 1,000円
3回目受診( 4週後) 0円 1,000円 1,000円
4回目受診( 6週後) 0円 1,000円 1,000円
5回目受診( 8週後) 0円 1,000円 1,000円
6回目受診(10週後) 0円 1,000円 1,000円
7回目受診(12週後) 0円 1,000円 1,000円
8,000円

2006年6月から保険給付が始まりました。当院でも、専任の看護師さんを雇って禁煙の保険診療を検討しております。しかし、1ヶ月に数人しか来ない禁煙希望患者さんのために、数十万円の人件費を出費するのは子供でも分かるように、経営上、はっきりいって愚かで馬鹿げているわけです。治療の優先順位(トリアージ)を考えても、高齢者医療を酷にして、自己責任疾患であるニコチン中毒者に保険給付するなんて誰が考えても間違っています。したがって、当院で保険診療を開始するかはしばらく検討する期間を持たせてもらう予定です。このことをとってみても厚生労働省が本気で禁煙を進めたいと思っていないことが分かると思います。

保険でなければ禁煙治療など受けたくないという方は、保険費用が多くの善良なタバコを吸わない人々のお金でまかなわれることを考えて下さい。自分の欲望から中毒になっているのに、ニコチン依存症という病気だから、お金を提供して治してあげましょうと言ってくれているのです。タバコを買う金は出すくせに、治療費の数千円さえ他人に出させようという卑しさを、まともな人間なら、「申し訳ない、恥ずかしい」と考えるのが普通ではないでしょうか。よーく考えて反省しましょう。自費での禁煙治療でも禁煙成功者は50%以下とされています。保険医療(他人の金)でやめようとする人の成功率はさらに低いと予想されます。

人の金で禁煙しようとする人は、やめられない可能性が高いです。
チャンピックス(ファイザー製薬)を下記のように服用し、喫煙を止めます。
  チャンピックスは、0.5mg錠と1mg錠の2種類があります。

第1週 第1日〜第3日:0.5mg錠を1日1回服用します。朝、昼、夕を問わない。
     第4日〜第7日:0.5mg錠を1日2回、朝夕食後に服用します。
     第1週は喫煙してもかまいません。
第2週 第8日目以後: 1mg錠を1日2回、朝夕食後に服用。禁煙を開始します。
     以後、12週終了まで継続します。

材料と方

費 用

自由診療でのニコチン依存症管理料

保険診療と当院の自由診療の費用を比較すると、後者の方が余計な支払いが無くて安くすむことが分かると思います。

しばらく、低料金での自由診療を続ける方針です。

ニコチネルTTS、5回受診の場合の費用。チャンピックス7回通院の費用ははっきりしない。


まして、後期高齢者負担問題で医療費が大問題になっている時期に、ニコチン依存者に保険給付